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『復活』
484頁 ISBN978-4-486-01468-3 C0097 2000年3月5日刊行 「訳者あとがき」より
『復活』については、古来さまざまの人がさまざまの感想をのべ、さまざまの解釈なり評価なりを下しているが、中には全然読みもしないで、“カチューシャ可愛や”の歌や『復活』の映画などから、それが一篇のメロドラマと勘違いしている筋もあると思う。……勿論『復活』はいろんな問題をその中に含んであるが、この私にして、もし《『復活』のなかでトルストイが心をこめて訴えているものを一言にして述べよ》と言われたら、それは《人には人を裁く権利はない》ということを訴えているのだと答えたい。……トルストイにとって、凡そ聖戦なるものが絶対に存在しないこと、換言すれば《善き人殺し》や、《善き人殺しの準備》や、《善き人殺しの道具》などと言うのは、彼にとって《乾いた水》と言うが如き名辞矛盾であることをも『復活』がこれを証している……。(1979年11月) あとがき全文 |

『アンナ・カレーニナ』(上・下)
上 506頁 ISBN978-4-486-01466-9 C0097, 下 462頁 ISBN978-4-486-01467-6 C0097
2000年9月20日刊行 「訳者あとがき」より
『アンナ・カレーニナ』が世に現われて百有余年、その間どれほどの人々がどれほどの思いでそれを読んで来たことであろう! どれだけの涙がアンナのために流され、どれだけの人がレーウィンと共に信仰を求めて悩んだであろう! モナ・リザの微笑にも似た謎を湛えて我々をおいでおいでをするこの作品、晩年の漱石をして《これほど偉大な小説は未だかつて読んだ事はない》と嘆ぜしめたこの作品、もはや世界人類共通の所有に属するこの作品を、なるべく大勢の日本の読者に結び合わせる役割を、私の拙い翻訳が些かでも果たし得るならば、喜びこれに過ぐるものはないと思う。(1979年8月) あとがき全文 |

『戦争と平和』(上・中・下)
各520頁予定 ISBN978-4-486-01463-8 C0097, ISBN978-4-486-01464-5 C0097, ISBN978-4-486-01465-2 C0097
2001年6月20日刊行 「訳者あとがき」より
なるべく多くの読者を《私の『戦争と平和』》の殿堂に迎え入れたいと思う。偽りの謙遜なしに言って、それは読者に、漱石のいわゆる還元的感化を及ぼす筈だと思う。もしもその読者が、すぐれた文学に対して縁なき衆生でさえなければ。もともと『戦争と平和』から読書の喜びを汲み取ることは、読書人としての最高のランクに立つことであって、あるいはそれは、選ばれた《精神の貴族》のみに与えられた特権かもしれない。しかしもともと万人は、精神の貴族たり得るし、精神の貴族であるべきではないであろうか?(1979年4月) あとがき全文 |
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